経験的な言葉
脳を損傷した人の治療に役立つものに「経験的な言葉」がある。
手の不自由な患者に手を上げるように言う。すると、
「力が入らない」という主観や、「動かない」という客観の答えが返る。
“ではどんな感じか”と尋ねると「鎧を着ているみたい」。
これが主観と客観の間にある「経験的な言葉」。
そこで「軽い鎧を着ているように動けますか」と呼び掛けると、
手が動きだす兆しを見せるそうだ。
現実に起きていることを「経験的な言葉」で表現すると、
脳内の仮想現実に合った動作が準備されるという。
“力まずいこう”などと声を掛け合うのは、こうした行動を促す言葉の力を知っているからと指摘する。
(『すぐやる!「行動力」を高める“科学的な”方法』文響社)
入会前、大病を患っていた群馬の男子部員。
目の前に大きな山が立ちふさがった思いだった。
そこに学会員の友人が「山があるなら一緒に登ろう!」と。
入会した彼は唱題根本に治療に努めた。
“頂上は見えたぞ”“もう一息!”との励ましを受け、
体調は好転し、病を克服。家族への弘教も実らせた。
友を励まし、動かす「言葉」は、
寄り添う真剣さの中で紡ぎ出されるものだろう。
それが蘇生への大いなる希望となる。