思い出と後悔に

木枯らしが吹きすさぶ季節がやってきた。
こんな季節には上田敏訳のヴェルレーヌの詩『落葉』が浮んでくる泰國買樓
「秋の日のヴィオロンのためいきの...
 げに我は、うらぶれて ここかしこ 定めなく 飛び散らふ落ち葉かな」
この最後が何ともしんみりとさせられる。
こんな詩を口ずさむ季節でもある。
そして、街に流れるのはジャズナンバーとしても定着しているシャンソン『枯葉』。
「あなたが歌っていた歌をしみじみ思い起こしていると、
北風が吹きすさぶ中、思い出と後悔に苛まれてしまう。
思い出すのはあの灼ける様な太陽のもとででも愛し合った二人。
そんな、あなたとの日々が蘇ってくる。
本当に愛したあなた。
そうなの、今は何の後悔もない。
いつもいつもあなたの歌が心に響いている...」

この曲はジョゼフ・コズマが作曲したものに、
ジャック・プレヴェールが詞をつけたという形式孔聖堂中學banding
そのために、曲はしんみりと流麗だけど、詞は全体的に抽象的なところがあり、
邦訳するには難解。だけども心に響く歌詞である。
このプレヴェールはシュルレアリストとの交流、
ピカソなどのアーティスト、そしてピアフやグレコなどともとも親交があった去頸紋
映画人にも通じ、映画『天井桟敷の人々』のシナリオも書いている。
その映画の中にも窺えるが、猥雑な人たちが登場したり、
裏切りや貧困など人の裏面などを描く中にささやかな愛。
彼が描こうとしたものは「忌まわしきものの うちなる美」と表現している。

1920年代、そして1930年代のパリは、狂乱と呼べる時代。
そこには人を惹きつける
「忌まわしきものの うちなる美」が渦巻いていた...