Entries from 2018-05-01 to 1 month

思い至らなかった

佐和子はずれ落ちた眼鏡をなおして強士の顔をじっと見た。しかし、すぐにコロナビールの瓶を握り、カウンターの内側を覗きこんだ。真顔の強士に見つめられると落ち着かなくなった。この人は普段見せないでいることを無遠慮に引っぱり出し、並べたててしまう…

疲れ果ててしま

花畑に混じることは出来ない。それを痛感してもなお、私は誰かと分かり合いたいと願った。家族も、たった一人の親友もいるけど、それ以外の繋がりを求めずにはいられなかった。一人でも多くに、自分を知ってほしくて仕方なかった。華やかさはもういらない。…